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就労定着支援とジョブコーチ たった1つの大きな違い

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高齢少子社会の日本で、労働力人口の減少は大きな課題になっています。

そんな中、安倍政権では「一億総活躍社会」と称し、配慮が必要だった少数派の雇用に積極的に乗り出そうとしています。そのひとつが、「障がい者雇用」。

障がい者雇用で長らく課題となっていたのが、「職場定着支援」でした。就職はできるものの、長く働くことができずに退職してしまうという問題が多くの企業で発生したのです。この問題に対応すべく、平成30年4月1日に改正される「障害者総合支援法」では、新事業として「就労定着支援事業」という、職場定着支援を行う事業が新設されたのです

・・・新設されたものの、実は職場定着支援を担う機関は他にも「ジョブコーチ(職場適応援助者)」があります。あるんですが、結局何が違うのか、とても分かりにくいですよね。今日は、この「職場定着支援」について考えていきましょう。

 

まず、職場定着支援ってなんなのさ?

結論:一定の定義は存在しませんが、障害者が就職後に長く働くことができるような支援を指します。

職場定着支援は、本人と、本人が就職する企業、本人の家族(必要に応じて)が主な支援の対象になります。

本人には、仕事の中での困りや悩みについて指導・助言を行います。企業には、本人の理解を促すことや労働環境への配慮等の助言を行います。家族は、本人が自分一人では解決しにくい生活上の課題について、一緒に解決を図るために協力してもらうパターンが多いです。

 職場定着支援の例

相談の内容は本当にさまざま。でも基本的には、「本人の障害による苦手に配慮してもらえるように企業に伝えること」そして「企業のルールやマナーを本人に理解してもらうこと」が主な内容だったりします。

就職後に発生する問題の多くは、本人の苦手なところまで求められてしまうこと、あるいは、企業の配慮が本人の期待していたものと違ったことで生じます。

なので、本人と企業の双方の話を聞きながら、今後も継続して働けるような方法を一緒に考える支援ということができるでしょう。

 

works.litalico.jp

 

で、新事業 就労定着支援事業とは?

結論:就労支援系サービスから就職して、半年経った方の職場定着支援をします。

就労定着支援事業の対象者は、就労支援系サービス(障害者総合支援法で定義されている就労移行支援、就労継続支援A型、就労定着支援B型3つの事業)の利用から就職に至った方になります。

就労定着支援事業を利用できるのは、就職から半年後から3年間になります。この間に職場定着支援をおこなうのです。

何で利用できるのが就職直後じゃなくて、半年後からなの?

実は、就労支援系サービス(障害者総合支援法で定義されている就労移行支援、就労継続支援A型、就労定着支援B型)は、利用者が就職してから半年間は職場定着支援を行わなければならない義務(一部努力義務)が課せられています。

なので、就労定着支援事業を「就職から半年後」とすることで、

 

就職➡【半年間】利用していた事業所が職場定着支援➡【半年以降】就労定着支援で職場定着支援

 

という、切れ目ない支援を行うことができるのです。逆にいえば、就職直後から就労定着支援事業を利用できるようにすると、職場定着支援を行う場所が複数になってしまうので、半年を基準に支援をバトンタッチできるように制度を設計した結果と言えるでしょう。

shohgaisha.com

 

就労定着支援事業とジョブコーチの違い

結論:どの時期に集中的に支援を行うかが違う。

就労定着支援事業は、先ほども説明したように「就職した半年後から3年間」に「継続支援(定期訪問)」を行います。

これに対し、ジョブコーチ(職場適応援助者)は、「就職直後に集中的に支援」を行い「時間が経過するとともにフェードアウト」します。

なんでかというと、ジョブコーチは「継続した職場定着支援」を行うのではなく、「入職直後に本人が職場に、職場が本人に慣れるための支援」を集中して行うからです。

 

everyday-komarikan.hatenablog.com

 

職場定着に大切なのは、「入職後」よりも「入職前~入職直後」だったりする。

最初に「職場定着支援が課題」と述べましたが、実は早期離職の主な原因は、「入職前~入職直後での職場への不適応」だったりします。逆にこの時期を乗り越えれば、ある程度安定して働くことができる可能性が高くなります。

ジョブコーチはこの「入職直後」の支援の専門家なのです。この時期に、本人と企業の双方の理解を促し、かつ職場に適応できるように助言・指導を行うのです。本人や企業の状況によって異なりますが、概ね就職から半年以降から徐々に訪問頻度を減らし、最終的には訪問しなくなります。

ここが定期的な企業訪問を求められる、就労定着支援事業との大きな違いなのです。

 

www.web-sana.com

 

やろうと思えば、就労定着支援とジョブコーチは併用可能なはず。

併用は可能なんですが、ようするに本人が就職後半年の間に支援に入るのが、就労支援系サービス事業とジョブコーチの二者になります。その後、就労定着支援にバトンタッチしつつ、ジョブコーチがフェードアウトしていく流れです。

実際の現場レベルでの話をすれば、本人・企業側の思いが大切になると思います。複数の機関が職場定着支援に押し掛けることで対応する負担を感じる方もいるでしょう。そのような方に対し、「見守る目は多い方がいい」というよくわからない一方的な押し付けをしてまで、支援する機関を増やす必要はないでしょう。

そもそも、本人・企業にとっても「支援が入っている現状」が通常の状況ではありません。過剰支援になり、支援がないと仕事できないという状況を作らないように配慮することも大切なのではないでしょうか。