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精神障がいへの合理的配慮 企業に知ってほしい4つのこと

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平成30年度から始まる、「精神障害者雇用義務化」。

このブログでも、以前に解説させていただきました。

 

everyday-komarikan.hatenablog.com

 

精神障がい者の雇用に企業はとても慎重になっているように感じます。

その主な理由は、精神障がいの悪いイメージが先行してしまっていること。「体調を崩して休みがち」であったり、「1度仕事を休むと復帰までに時間がかかってしまう」、「すぐに落ち込んでしまう」など。

実際に精神障がいを抱える方を採用した企業でも、最初は本人にどう接していいか分からず、腫れ物に触るような対応になってしまい、本人が職場になじめないなんてこともよく聞きます。

しかし、精神障がいを抱える方からの就職相談が急増していること、そして、知的障がいや身体障がいを抱える方の就職が進み、今後職場定着支援により離職率が低下することが見込まれることからも、これからの障がい者雇用で重要になるのは精神障がいを抱える方の採用であることは間違いありません

そんな中で、精神障がいを抱える方の雇用を考えている企業さんに、ご理解いただきたいことがあります。

 

精神障がいの症状は、その人によってまちまちであること

「精神障がい」と一口にまとめられていますが、精神障がいに該当する病気や症状は山ほどあります

有名なものは、うつ病や双極性障害(そううつ病)、統合失調症、発達障がい、てんかんなどが挙げられます。実は、有名でないものもたくさんあります。

今挙がった中で、発達障がいを例に挙げると、その発達障がいの中だけでも「自閉症スペクトラム障害」「注意欠如・多動性障害」「極限性学習障害」などがあります。

精神障がいの中にはたくさんの種類があるものの、同じ病気・症状であっても、全く同じ状態になるとは限りません。例えば、同じ統合失調症を抱えるAさんとBさんでも、Aさんは幻聴・幻覚があるけど、Bさんにはない。Bさんには妄想があるけど、Aさんにはないなど。

つまり、病気や症状の名前だけでは、その人の困っていることを知ることはできません。大切なのは病気や症状の名前よりも、「その人の病気や症状による困りを詳しく知ること」なんです。

障がい者雇用は、その人の病気や症状による困りを詳しく把握しすることから始まります。そこから初めて、本人に必要な「合理的配慮」が見えてくるのです。

 

精神障がいは、「急な変化」が苦手な障がいであること

精神障がいを抱える方は、急な変化が苦手です。とてもストレスに敏感で、感じたストレスが身体症状に出やすいのです。

そこで大切にしてほしいのは、「少しずつ」「予め」「分かりやすく」です。

「少しずつ」

もし何か新しいことに取り組むときは、「少しずつ」慣らしていくことが大切でしょう。例えば、入職後。初めての職場環境に慣れるのは、精神障がいを抱える方でなくても大変なことです。そこで、「少しずつ」慣らしていくために、初めは短時間勤務からスタートし、慣れてきたら徐々に時間を伸ばしていく対応は効果的です。また、新しい仕事に取り組む時、いきなり規定量のノルマを求めるとそのプレッシャーから負担を感じてしまうことがあります。そのため、ノルマを低く設定し、そこから本人の様子を勘案しながら、徐々に高めていくとよいでしょう。どちらも、「急な変化」に対して配慮することで、本人の負担を軽減しつつ雇用することができます。

「予め」

「急な変化」への対応として、可能な限り「予め」説明することは大切です。仕事をする前に予め本人に説明することで、本人のイメージしている仕事内容と実際の仕事内容のギャップを埋めることができます。このイメージと実際に開きがあると、本人はパニックになってしまったり、強いストレスを感じることがあります。また、先が予測できない中での不安を軽減する効果もあります。企業の中には、本人の1日のスケジュールや作業工程を予め決めた上で、本人が確認できるようにし、本人の負担を軽減する取り組みを行っている企業も多いです。

「分かりやすく」

本人に何かを伝えるときは、分かりやすく端的に伝えるようにしましょう。精神障がいを抱える方の中には、情報を整理するのが苦手な方もいます。そのため、長々と説明するより、端的に具体的に伝える方が伝わりやすいです。可能であれば、説明した内容は、紙に書いて渡した上で後で振り返るようにするとよいです。言葉で伝えられて理解しづらい内容でも、文字を読んで振り返ることで理解を深めることができます。また、図や表を用いて視覚的に分かりやすくすると、より伝わりやすくなります。

 

「少しずつ」「予め」「分かりやすく」は、精神障がいであるかどうかに関わらず、より丁寧に社員の職場定着をために必要な技術と言えるでしょう。

 

職場でキーパーソンを決めることが、意外と大切なこと

キーパーソンとは、本人に主として関わる方を指します。実は、精神障がいを抱える方の職場での大きな悩みとして「人間関係」が挙げられます。複数の人がいる職場で、多くの方と関わることで疲れ切ってしまうことがあります。また、職場からの指示が人によってバラバラであるために悩んでしまいストレスを抱えてしまうことも。

そんな人間関係の悩みを「キーパーソンを決めること」で解決できます。本人に指示を出す人を1人に絞ることで、指示がばらけるリスクを回避できますし、また本人とキーパーソンの関係が形成されると、本人の困りや悩みにいち早く気づき、対応することができるようになります。

 

支援機関の利用が、転ばぬ先の杖になること

「知らない支援機関が入ることに抵抗がある」という企業さんもいるかもしれません。しかし、就職の際に支援機関を利用することで、1年後職場定着率(1年継続して働いている割合)が高くなっている事実があります。特に、ジョブコーチ支援の利用者は6か月後職場定着率が8割を超えるともいわれます。

実は、支援機関を利用することで支援を受けることも大切なのですが、支援機関を受け入れてもいいという姿勢の企業さんの対応が手厚いという、「鶏が先か、卵が先か」的なところもあります。

 

本人を知り、よく理解しましょう

精神障がいを抱える方の雇用に関わらず、障がい者雇用に大切なのは、「本人のことをよく知ること」です。

本人がどんなことが得意で、どんなことが苦手なのか。どんな時に体調を崩しやすくて、どんな症状なのか。また、体調を崩したときの対応など。本人の今までの困りや悩みから、企業さんに求められる配慮が見えてきます。

本人のことを知ったり、配慮を考えるにあたって、「都道府県障害者職業センター」や「障害者就業・生活支援センター」、「ハローワーク」、本人が利用していた「就労支援系事業所(就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型)」に相談してみることをお勧めします。