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精神障害=犯罪? 報道の偏見を否定するたった2つの理由

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先日、東海道新幹線の中で無差別殺傷事件が起こりました。

その直後、現行犯逮捕された容疑者について「自閉症」「発達障害の診断を受けていた」「精神科入院歴あり」等の報道がなされ、「発達障害や精神科通院への偏見を助長するのではないか」とSNS上で波紋を広げました。

 

news.biglobe.ne.jp

 

このような報道に対し、精神障害をもつ方々の主体的な生活の実現に向けた取り組みを行う「認定NPO法人地域精神保健福祉機構」が、報道関係各社へ偏見を助長するような報道に対し配慮をするように緊急要望を出す事態となりました。

 

www.comhbo.net

 

この事件に対する世論を耳にする中で私は、精神障害や発達障害と犯罪を関連付けている社会的風潮に大きな違和感を覚えました。

私は、犯罪を肯定するつもりは一切ありません。しかし、精神障害や発達障害を犯罪の直接の原因として捉えられている状況には疑問を感じています。

今回は、精神障害や発達障害と犯罪に関連性があるのか、本当に簡単ではありますが解説いたします。

(※今回の記事では制度上の定義として障害を取り扱っているため、「障害」という漢字表記に統一しました。予めご了承ください。)

 

精神障害・発達障害をもつ方は犯罪を犯すのか

概要を簡単にまとめると

①検挙された一般刑法犯に占める精神障害者の比率は1.1%。

②精神障害者の犯罪率は0.06%。一方、健常と言われる方の犯罪率は0.18%。

 

精神障害者と検挙された方の比率

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罪名別の検挙人員は,窃盗が最も多く,次いで,傷害・暴行であった。窃盗は,精神障害者等の検挙人員4,084人の約3分の1を占めている。また,同年における刑法犯の検挙人員のうち,精神障害者等の比率は,1.8%であったが,罪名別で見ると,放火(20.3%)及び殺人(14.8%)において高かった。

(平成29年度版犯罪白書~第10章精神障害のある者による犯罪等)

 

これは、法務省が毎年度発表している『犯罪白書』から引用した内容です。

この表では、「精神障害者等」の中に「精神障害者」と「精神障害の疑いがある者」の2つの分類があります。

ちなみに、「精神障害の疑いがある者」というのは、警察官が措置入院の対象と判断して都道府県へ通報する状況の方で、精神障害者ではない方を指すようです。簡単にいえば「犯行後に精神障害と判断される可能性が高い方」ということになると思います。そうなると、「犯行前は健常とされていた方」なんですね。

個人的には、犯行前に健常とされていた方が「精神障害者等」に含まれるのはおかしいと思いっています。正直、精神障害者の検挙人数を恣意的に多く見せようとしている印象を受けます。

それはさておき、検挙された総数の中で精神障害者等の比率は1.8%と非常に少ない(ちなみに「精神障害者」に限定すれば1.1%)。罪名別でみれば放火や殺人の比率は高いが、やはり精神障害者以外の比率が高いことからも、精神障害者を限定して犯罪と結び付けるには根拠に乏しいと言えるのではないでしょうか。

 

精神障害者とそれ以外の検挙率を計算してみた

[精神障害者の犯罪率]

2,463人(精神障害者の検挙人員数)÷392万4千人(精神障害者数)×100

=0.06%

 

[それ以外の犯罪率]

(1)精神障害者を除く検挙人員数➡22万2,292人

(2)精神障害者を除く総人口➡1億2,301万1千人

(1)÷(2)×100=0.18%

 

以上のように犯罪率を計算したのですが、精神障害者の方が犯罪率も低い事実は数字を見れば明らかです。

 

結論

ここまで統計をもとにして検討しましたが、精神障害の検挙比率も低ければ、犯罪率も低い。はっきり言って、精神障害と犯罪を結びつけるのは無理がある。むしろ「精神障害者と比較して健常と言われる方の方が犯罪を犯しやすい」と言っても過言ではないのです。

このように、精神障害=犯罪という根も葉もない関連性が世間に定着したのも、「報道」によるところが大きいでしょう。

今回の東海道新幹線での事件の他にも、過去を振り返れば報道の時点で「自閉症」「精神遅滞」「知的障害」「精神科入院歴あり」などの情報が流された重大事件がありました。そのような報道を見れば、誰しもが精神障害と犯罪の関連性を何の疑いもなく受け入れることでしょう。そうして、精神障害=犯罪というイメージが定着してしまったことは明らかです。

このイメージの定着によって精神障害を抱える当事者の方々は生活上の困難を強いられます。しかし、日本人は多数派を重んじる民族であり、少数の困っている方々の生活には目を向けようとしません。所詮「他人事」と捉えてやり過ごそうとしているのです。これが、日本の精神障害に対する偏見の根底だと、私は考えています。

 

まとめ

皆さん、日本は世界に誇るべき先進国であると思っていませんか?

そんなことは無いですよ。日本は精神科医療において世界的に見てもかなり遅れを取っている国です。今回の報道の件をとっても、まだまだ根強い偏見があると言わざるを得ません。

日本では5人に1人は生涯に1度は精神疾患を患うと言われています。誰しもなりえる、他人事ではない病気です。あなたが精神疾患を患ったら、どうですか?今の日本は生活しやすいということができるでしょうか。

それでもまだ、他人事としてとらえることができますか