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これだけでOK! 障害者雇用促進法がよく分かる 3つのポイント

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障害者雇用促進法(障害者の雇用の促進等に関する法律)は、1987(昭和62)年に制定されました。

もともと1960(昭和30)年に「身体障害者雇用促進法」が制定されていましたが、障害者雇用促進法の制定によって、身体障害者だけでなく知的障害も障害者雇用の対象になりました。その後、2006(平成18)年には精神障害も対象になっています。

近年、障害者雇用が注目を集めています。特に、省庁及び地方自治体等の公的機関で障害者手帳を持たない人を障害者雇用として計上していた「障害者雇用水増し問題」は記憶に新しいでしょう。

この障害者雇用水増し問題でも話題になった、国や地方公共団体、事業主の「障害者の雇用義務」や「法定雇用率」、そして障害者の就労の促進に関わることが、障害者雇用促進法で定められています。

では、具体的にどのようなことが定められているのか。今回は障害者雇用促進法を理解するために必要な3つのポイントにしぼって、分かりやすく解説します。

 

  

内容①:職業リハビリテーションを推進します

【簡単にまとめると】

障がいを抱える方の状況や希望に応じたお仕事ができるように、ハローワークは職業指導や求人開拓をします。また、障害者職業センターと障害者就業・生活支援センターを設置して、支援や援助、研究をします。(96字)

 

リハビリテーションと聞くと、身体機能の回復を目指した訓練をイメージする方も多いでしょう。しかし、職業リハビリテーションが意味するリハビリは、自分らしく生きることや障がいによって制限されてしまった権利を回復するための活動を指します。

つまり、職業リハビリテーションは、障がいを抱えても職業を通じた自己実現や経済的自立を創出する取り組みということができるでしょう。

障害者雇用促進法には、「ハローワーク(公共職業安定所)」「障害者職業センター」「障害者就業・生活支援センター」という3つの機関が出てきます。

中でも、ハローワークには障害者専門窓口が設けられていて、障がいを抱える方の就労に関する相談に応じています。また、ハローワークでは事業主の障害者雇用に関する相談や指導・助言も行っています。

しかし、他の「障害者職業センター」や「障害者就業・生活支援センター」はあまり耳にすることがない名称でしょう。この2つの機関は、一体何をするセンターなのでしょうか。

 

障害者職業センター

障害者職業センターには、「障害者職業総合センター」「広域障害者職業センター」「地域障害者職業センター」の3種類があります。しかし、直接障がいを抱える方や事業主の相談に応じたり、支援や援助を行うのは「地域障害者職業センター」が多いです。地域障害者職業センターは各都道府県に設置されていて、「職業センター」と呼ばれています。なお、障害者職業センターは「独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構」が運営しています。

職業センターで行っている主なものとして4つのことが挙げられます。

 

(1)職業評価:本人の聞き取りや検査を行った上で、職業に関する希望を整理し、その達成に向けた支援や援助の方向を明確にする「職業リハビリテーション計画」を作成する。

(2)職業準備支援:就職に向けた準備を整るために、センター内で作業能力や対人技術などの向上を目的とした実践的な支援を行う。

(3)ジョブコーチ支援:職業センターにいるジョブコーチを派遣し、ジョブコーチ支援を行います。

(4)事業主への相談支援・援助:障がいを抱える本人だけでなく、事業主の相談に応じ、支援・援助を行います。

 

www.jeed.or.jp

 

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、就業及びそれに伴う日常生活上の支援を必要とする障害のある方に対し、センター窓口での相談や職場・家庭訪問等を実施します。

このセンターは、全国に300か所以上設置されています。センターの活動エリアが職業センターより狭いことから、より地域に根差した形で直接的な支援や援助を行う役割を担っています。また、地域によっては障害者雇用に関わる関係機関の連携を繋げる中心的な役割を担っている重要なセンターです。

障害者就業・生活支援センターは、東日本では「ナカポツ(就業・生活支援センターの真ん中の点が由来)」、西日本では「シュウポツ(就業・生活支援センターの「就」「・」が由来)」と略して呼ばれることが多いようです。

 

snabi.jp

 

内容②:障害者雇用の義務を定めます

【簡単にまとめると】

すべての事業主は障害者の雇用に努めなければならない上で、従業員数45.5人以上の事業主は、従業員数に対して2.2%以上の障害者を雇用する義務がある。事業主以外にも、国・地方公共団体等では2.5%、都道府県の教育委員会等では2.4%の障害者を雇用することになっている。(133字)

*1

 

障害者雇用促進法では、すべての事業主や国・地方公共団体等に対して雇わなければならない障害者の割合を定めています。この割合を「法定雇用率」と呼びます。

法定雇用率は、①従業員数45.5人未満の事業主は義務ではなく努力義務 ②一般事業主以外にも国や地方公共団体などの機関にも対象となっている という特徴があります。

法定雇用率は、障害者雇用促進法の改正と共に上昇しており、平成30年10月現在で一般事業主に対し2.2%の法定雇用率が設定されています。

 

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障害者雇用率の算定方法

障害者雇用率の算定方法は、3つのポイントがあります。

 

①障害者手帳の有無

身体障がいを抱える方に発行される「身体障害者手帳」、知的障がいを抱える方に発行される「療育手帳」、精神障がいを抱える方に発行される「精神障害者保健福祉手帳」のいづれかの手帳を持っていないと、障害者雇用率の算定の対象になりません。

例えば、精神科病院に通院していて診断書を受けている等、障害者手帳の発行が可能な状態であっても、実際に障害者手帳の発行を受けていない場合は対象となりません

そのため、算定を行う場合には障害者手帳を持っていること、そして手帳の更新日が過ぎていないかの確認が大切です。

 

②雇用している障がいを抱えている方の労働時間

障害者手帳の持っている方で、下記の条件によって障害者雇用として算定することができます。

週の労働時間が20時間未満の方・・・障害者雇用の対象になりません

週の労働時間が20時間以上30時間未満の方・・・障害者雇用0.5人として算定できます

週の労働時間が30時間以上の方・・・障害者雇用1人として算定できます

 

③障がいの程度

さらに、下記の条件に該当する方は算定した人数を2倍にして算定できます

 

●身体障害者手帳の等級が1級または2級の方。あるいは3級で重複の障害がある方。

●療育手帳で「A」判定とされている、または療育手帳の「A」判定に相当する判定書をもらっている方。

●障害者職業センターから重度知的障害者の判定を受けている方。

 

例えば、身体障害者手帳1級をお持ちの方で週30時間以上勤務されている方は、障がいの程度によって2倍の人数で計算できるので、1人で障害者雇用2人分として算定することができます。こように障がいの程度によって2倍の人数で算定することを「ダブルカウント」と呼びます。

 

www.aafukushi.net

 

内容③:障害者に対する差別禁止と合理的配慮の提供

【簡単にまとめると】

障がい者に対して障がいを理由とする差別は行ってはいけないし、不当な差別的取り扱いをしてはいけない。また、障がいのある人の生活のしにくさの原因を取り除けるように勤めなければならない。(90字)

 

過去の障害者雇用促進法では、障害者に対する差別の禁止と合理的配慮の提供を規定していました。しかし、平成28年の「障害者差別解消法」の施行と共に、その内容は削除されています。

これは、「雇用の場に限らず日常の生活の中で、障害者に対する差別を禁止すること、そして合理的配慮が必要であること」から、「障害者差別解消法」の内容として一本化されたものです。

差別的取り扱いとは、障害のある人に対して、正当な理由なく、障害を理由として差別することを指します。

例えば、受付の対応を拒否したり、付き添いの介助者だけに対応する、受験や応募の拒否が挙げられます。

合理的配慮とは、障がいを抱える方の生活のしづらさを軽減するために環境に働きかけることを指します。

例えば、バリアフリーや点字ブロックの活用、手すりの設置などの設備への働きかけの他に、筆談や紙に書いて説明する、本人が分かりやすいように工夫して伝えることも合理的配慮に含まれます。

この合理的配慮によって、誰しもが生活しやすい環境を整えていくことが、障害者差別解消法のポイントであり、障害者雇用で障がいを抱える方も働きやすい環境づくりに繋がることは言うまでもありません。

 

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まとめ

障害者雇用促進法は、職業リハビリテーションの推進と障害者の雇用義務規定の2つが大きなポイントとなっている他、障害者雇用促進法の理念の中に「障害者差別解消法」の差別禁止と合理的配慮が密接に関わっています。これらの3点を押さえると、障害者雇用に関する法律に明るくなってきます。

今後も法定雇用率の上昇や就職者数の増加など、障害者雇用をとりまく環境は変化していくことが予想されます。その中で法律の柱を押さえておくことは非常に重要です。

*1:※平成30年10月現在