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福祉レポート~精神保健福祉援助技術総論Ⅰ(ジェネラリストソーシャルワークとエンパワメントアプローチ)

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 ジェネラリストソーシャルワーク

ジェネラリストソーシャルワークは3つの援助技法が背景となっている。

1つ目は、ケースワークである。これは社会的要因や社会的環境と個人との関連に重きをおく科学的な支援の方法として、リッチモンドによって体系化された。

2つ目は、グループワークである。これは集団的経験・意図的なグループ体験を通して、個人の機能と成長や発達を図ることを目的として、コイル、コノプカらによって体系化された。このグループワークは実践モデルとして、社会的な諸問題の解決と個人が成長することに目的を置く「社会諸目標モデル」、グループを構成するメンバーが互いに助け合い、ある特定の課題に取り組む相互援助モデルをつくり出すことを狙いとした「相互作用モデル」、ヴィンターが体系化した、個人の目標に焦点を当てることに主眼が置かれ、スキルの獲得や訓練的要素を含む「治療モデル」に発展した。

3つ目はコミュニティワークである。これは困難や不利益の状況にある人々の力を強め、彼らが共通して置かれる境遇について、コントロールできるようにすることを目的に、地域住民と共に生活環境や住宅環境の改善に取り組むものである。

これら3つの援助技法は、1970年代以降に3度の統合の動きを見せ最終的に一元的アプローチに発展した。一元的アプローチは、ソーシャルワーク実践の共通基盤の確認がもっとも上位にあり、ソーシャルワークの枠組みから方法の再編に取り組むものであった。これは3つの援助技法を独立技法としてとらえず、ソーシャルワーク技法として一体的にとらえ柔軟に活用するものであり、ジェネラリストソーシャルワークを構成する一つの要素になっている。一元的アプローチに加え、1980年代に台頭したエコロジカルソーシャルワークやその後のソーシャルワーク理論にも影響を受けながらジェネラリストソーシャルワークは形成された。

ジェネラリストソーシャルワークは、3つの援助技法がこれまで個人、グループ、地域など、それぞれのシステムに分けて行ってきた援助を、「ソーシャルワーク」として一体化させた。そして、複数のシステム間との交互作用を促進させる実践が行われるようになった。その実践を通じ、総合的なアセスメントや問題解決過程を提示するのである。

ジェネラリストソーシャルワークの大きな特徴として、クライエントを主体として強調した援助を行うことが挙げられる。ソーシャルワーカーは、これにより「クライエント自身が問題解決できるようにソーシャルワーカーは何をすべきか」という視点に立ち返ることとなり、ソーシャルワークの価値への原点回帰ともいうことができる。

 

エンパワメントアプローチとストレングス視点

エンパワメントは、自分自身の個性、関係性、思考、知識、自己決定などの多様なパワーに気づき、自己効力感を高め、それを可能とする個人的パワーを十分に発揮し、必要な社会資源を活用して、環境と適合して人間として尊厳ある生活を送るプロセスを指す。

エンパワメントは、社会的に弱い立場にある人たちや生活に困窮している人たちに行ってきたセツルメント運動に端を発する。第一次世界大戦以降、クライエントの問題を引き起こす原因を治療によって改善すると考える医学モデルの台頭により一時は軽視されるようになったものの、1976年に出版されたソロモンの著書『黒人へのエンパワメント―抑圧された地域社会におけるソーシャルワーク』においてソーシャルワーク領域で改めて「エンパワメント」が用いられるようになった。その後、出版後10年の時を経たアメリカにおいて、貧困、偏見、抑圧、教育欠如、情報統制、ストレスなどにより自分のもつパワーを十分に発揮することができなかった社会的弱者が引き起こした、公民権運動、フェミニズム運動、民族独立運動などの社会運動を背景に、エンパワメントの概念は形成されていった。

エンパワメントに基づき実践をおこなう、いわゆるエンパワメントアプローチにおいて、クライエントの強みに着目することが非常に重要となる。このようにクライエントのもつ強さや能力、可能性などに目を向け、着目することをストレングス視点と呼ぶ。

ストレングス視点では、クライエントシステムは潜在的にさまざまなストレングスを有しているととらえ、問題を抱えているのは、そのストレングスを十分に活用できていないことが原因であると考える。そのため、ソーシャルワーカーは、クライエントシステムのストレングスに注目しつつ問題を把握し、クライエント自身が問題を解決するためにストレングスを十分に活用できるように支援する。このストレングス視点は、エンパワメントの源泉となる本人の内発的な力を喚起し向上するエンパワメントアプローチにおいて、本人が自分のストレングスを認識し、自分の有用感や肯定感の向上を図る点で必要な役割を果たす。

エンパワメントはもともと社会に抑圧された立場や階層にある人たちに向けて用いられてきたものであった。しかし、それに取り組むエンパワメントアプローチとストレングス視点も相まって、現在ではクライエント本人をニーズや問題解決の中心としてとらえる「本人主体」の援助において、重要な概念としてとらえられている。 

 

引用・参考文献

1)精神保健福祉士養成セミナー編集委員会編 『精神保健福祉士養成セミナー3(第6版) 精神保健福祉相談援助の基盤[基礎][専門]』 へるす出版,2017年 p.65,80-101

2)社会福祉士養成講座編集委員会編 『新・社会福祉士養成講座6 相談援助の基盤と専門職(第3版)』 中央法規出版,2015年 p.61-91