結局福祉ってよく分かんねぇや

福祉は自分で定義するものらしい

結局福祉ってよくわかんねぇや

福祉レポート~介護概論①(社会福祉士指定科目)

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課題の概要

介護保険制度までの高齢者福祉制度の発展過程を踏まえ、介護保険制度の概要について整理し、その課題について自身の考えを具体的に論述しなさい。

 

解答

過去に遡れば、高齢者福祉制度は高齢者の経済的困難への救済・保護という視点から始まったと言える。そういった意味では、高齢者福祉制度の発端は明治時代の救貧制度である恤救規則に見ることができる。しかし、実際に高齢者を対象として明文化したのは1929年に制定された救護法であり、同法の救護の対象に「65歳以上の老衰者」と記載されている。この後戦後においても、1950年に制定された生活保護法によって保護的視点のもと対応が行われることとなる。

1963年に制定された老人福祉法によって、高齢者福祉は初めて独立した法律をもつこととなる。老人福祉法は、「老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もって老人の福祉を図る」ことを目的としている。これは、今まで高齢者の課題を経済的困難に直結させていたところから、その生活背景へ目を向けるものへと転換するものだった。老人福祉法は、入所施設として養護老人ホームと特別養護老人ホームを位置づけ、自己負担額を応益負担とした。また、利用については措置制度の対象としている。一方、施設と入所者の契約で利用する軽費老人ホームも同法で規定されている。そして、現在の訪問介護の前身である老人家庭奉仕員派遣制度も位置づけた。

1970年には日本の老齢人口比率は7%を超え高齢化社会となった。また、昭和60年代には高齢人口比率の増加と少子化等の社会背景から本格的に高齢化への対応が国の課題として認識されるようになった。そうして、1989年の高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)、1994年の「21世紀福祉ビジョン―少子・高齢社会に向けて」や新・高齢者保健福祉推進十か年戦略(新ゴールドプラン)を代表とするように、高齢者福祉に関わる施策方針の具体化が行われた。

1990年には、福祉関係法の大規模改正が行われた。その中で老人福祉法も見直され、今までの高齢者の保護収容を主眼とする施設サービス中心の支援から、自立支援を主眼とする在宅サービス中心の支援へと転換が図られた。また、市町村を中心とする高齢者福祉体制の方針を明確にし、市町村老人保健福祉計画が策定されることになった。

以上のような変遷を踏まえ、2000年には、介護の社会化や利用契約制度への転換、介護サービスの保健・医療・福祉の統一化と競争原理によるサービスの質の向上、介護の科学化などを目的とした介護保険制度が開始された。

介護保険制度は、自立支援を基本理念とし、介護に関する既存の制度を再編成した上で高齢者自身がサービスを選択することを基本とするものであり、その運用には社会保険方式が導入された。介護保険制度を運営する主体となる保険者は「市町村及び特別区」が担い、介護保険特別会計を設置し収入・支出を管理する。

介護保険における被保険者は、65歳以上の第1号被保険者と40歳以上65歳未満で医療保険に加入している第2号被保険者の2種が存在する。第1号被保険者保険料は特別徴収または普通徴収によって徴収される。また、第2号被保険者保険料は加入する医療保険ごとに医療保険料と共に一体的に徴収される。

介護保険給付の対象になるのは、要介護状態または要支援状態と認定された被保険者である。ただし、第2号被保険者の場合はその発生原因が特定疾病によるものである必要がある。なお、要介護(要支援)認定は、認定調査と一次、二次判定を経て保険者によって決定される。なお、この決定や処分等に不服がある場合は介護保険審査会に審査請求を行うことができる。

介護保険給付の内容は、介護給付、予防給付、市町村特別給付に分類される。介護給付は要介護者が利用できるサービスであり、12種の居宅サービス、2種の在宅サービス、2種の施設サービス、9種の地域密着型サービスからなる。予防給付は要支援者が利用できるサービスであり、9種の居宅サービス、2種の在宅サービス、3種の地域密着型サービスからなる。市町村特別給付は、市町村独自で行う給付サービスであり、月額限度額に独自で上乗せする上乗せサービス、独自のサービス給付を設ける横出しサービスがある。

以下には、介護保険制度の課題として2点を論述する。

まず1点が、障害福祉サービスとの一体的利用ができない点にある。

障害福祉サービスに大きな変革をもたらした障害者自立支援法制定から8年が経過し、障害者総合支援法における障害福祉サービス利用者の高齢化と介護保険給付への移行が話題を集めている。制度上、介護保険給付と障害者総合支援法の給付では、介護保険給付が優先されることとなっている。このために、障害者総合支援法による給付を受け生活を営んできた障害者が、65歳になり介護保険給付の対象となった際に、その生活が大きく変化する恐れがある。また、本人に関わる支援者も変わり、関係構築にかかるストレスも相当のものであると推測される。このように、介護保険法と障害者総合支援法の狭間で不安を抱える方々は、今後も増えることが見込まれる。この課題への対応は急務と言えよう。

また、2点として被保険者の地域・社会との関係形成が挙げられる。

介護保険制度にあっては、サービス利用が主眼となっている様子が見える。一方で、本人の自立支援ともいうべき在宅生活の継続を考えていくのであれば、サービス利用だけにとどまらない、サービス利用者と地域・社会との関係構築にもより力を注ぐべきであると考える。家族単位の少人数化や地域・社会関係の希薄化など、生活の中で繋がりを構築することが難しい様相が見えるが、地域での生活を維持するためには、地域や社会全体で相互扶助を捉える必要があると考える。

 

引用・参考文献

1)社会福祉士養成講座編集委員会 『新・社会福祉士養成講座13 高齢者に対する支援と介護保険制度(第5版)』 中央法規,2016