結局福祉ってよく分かんねぇや

福祉は自分で定義するものらしい

結局福祉ってよくわかんねぇや

福祉レポート~介護概論②(社会福祉士指定科目)

f:id:potate0023:20190217124036p:plain


課題の概要

介護の概念を捉えた上で、介護の神髄と職業倫理について介護の社会的動向と関連づけながら、具体的に論述しなさい。

 

解答

 大辞林第三版によれば、介護は「高齢者・病人などを介抱し世話をすること」とされている。しかしながら、業として行われる専門的な介護について、その一様の定義は存在しない。

1987年に成立した社会福祉士及び介護福祉士法では、介護福祉士について「専門的知識及び技術をもって、身体上または精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者について心身の状況に応じた介護を行い、ならびにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者」としている。

この介護福祉士の定義から、専門職として行われる介護は、「専門的知識・技術をもって心身の状況に応じた介護」であることが読み取れる。では、「心身の状況に応じた介護」とはどのようなものなのだろうか。

先述の介護福祉士の定義において、対象者として日常生活を営むのに支障がある者が挙げられている。この日常生活の支障を国際生活機能分類で捉えたとき、介護の専門領域は生活機能上の活動への支援・援助ということができる。しかしながら、生活機能は心身機能・身体構造、活動、社会参加の3つのレベルが全て独立しているのではなく、心身機能・身体構造と活動、活動と社会参加が相互に影響し合う。この時に、介護は活動への支援・援助を主とすると同時に心身機能・身体構造、社会参加への理解も必要となると言える。

介護の目的は、これらのアプローチを通じ、日常生活上の支障を解消し自立を促すことで、本人が希望する生活を目指す自己実現が図られることにある。つまりは、介護のアプローチの中心には生活機能上の活動を可能とするための身体的援助が中心となるが、その本人との関わりで求められる精神的援助、または本人の自立生活を目指す一助となる社会的援助、また今後の機能低下を見込んだ予防的援助を統合的に提供し、本人の自己実現に寄り添うことこそが業としての介護の概念に繋がると言えよう。

介護の神髄について、私は福祉専門職の中でも、求められる援助が身体的にも精神的にも最も近い距離で行われることにあると考える。

介護の特徴は、身体的援助が中心となる点にある。身体的援助は利用者と援助者が近い位置で、身体を接触させながら行う場面が多い。この身体的援助においては、誰でもできるというわけではない。全く知らない人に身を預けることは時に不快であり不安である。そのため、身体的援助を行うにあたっては、利用者と援助者の援助関係が重要となり、この援助関係に留意しない援助においては利用者主体のサービス提供は不可能なのである。また、身体的援助を伴う援助関係においては、利用者と援助者の繋がりはより深いものとなる。その点において、その精神的な面での距離の近さが生まれると言えよう。

一方で、この距離の近さがもたらす弊害として、その距離の近さゆえに援助者が利用者への権利意識が薄くなり、独善的支援や自己決定の阻害など、利用者主体から離れた支援を展開する可能性が挙げられる。その最たるは、施設内での高齢者への虐待であると言えよう。

厚生労働省によれば、介護施設職員による高齢者虐待の件数は年々増加しており、平成28年度には相談・通報件数が1,723件、虐待判断件数が452件となっている。特に施設サービスにおいては、その関係性の距離の近さが援助者自身の権利意識を薄くさせてしまう。また、関わりが施設内に限定されてしまいやすく、外から見えにくいために、その不適切な関わりへの気づきが得ることができにくい状況であるともいえる。

この状況を防ぐためにも、介護職の職業倫理に基づいた援助の体現は非常に重要である。

介護の専門職である介護福祉士の専門職倫理を定める倫理綱領では、①利用者本位・自立支援 ②専門的サービスの提供 ③プライバシーの保護 ④総合的サービスの提供と積極的な連携・協力 ⑤利用者ニーズの代弁 ⑥地域福祉の推進 ⑦後継者の育成 の7項目を定めている。これらの倫理基準に基づいた援助が、援助者自身の自己覚知を深め、価値や倫理を向上させ、より質の高いサービス提供へと繋がるのである。

この専門職倫理については、援助者個人だけの問題ではないことに留意したい。この課題は、組織やチームの中で検討し深めていく必要がある。介護理念の具体化にあっては、専門職の価値や倫理を持つ援助者が少数派であり、組織やチーム全体に浸透することが難しい場合がある。そのためにも、専門職としての価値・知識の共有やスーパーバイザーの設置など、組織内でも専門性を高める取り組みを行うことが重要といえよう。

 

引用・参考文献

1)社会福祉士養成講座編集委員会 『新・社会福祉士養成講座13 高齢者に対する支援と介護保険制度(第5版)』 中央法規,2016