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特例子会社がもたらした効果と疑問

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障害者雇用促進法が制定されて以降、障がいを抱える方の「就労」が大きく変化しました。中でも法定雇用率制度は、今もなお障害者雇用を推進させる原動力となっています。

しかしながら私は、障害者雇用促進法の中で疑問を感じている点がいくつかあります。今回は「特例子会社制度」への疑問について解説したいと思います。

 

特例子会社制度とは?

特例子会社制度とは、「一定の条件を満たした子会社の従業員は、親会社の従業員とみなして法定雇用率の算定に加えてもいい」という制度です。

本来の法定雇用率制度は、「1つの会社で法定雇用率を超えるように障がいを抱える方を雇用する」ものです。しかし特例子会社制度を用いると、1つの会社だけでなく子会社も含めて法定雇用率を計算してよいのです。


特例子会社制度を用いる会社のメリットとして、以下の3点が考えられます。

 

  1. 子会社の中で障害者雇用に特化して職場環境を整えやすくなるため、雇用される障がいを抱える方が持っている力を発揮しやすい環境づくりが容易になる。
  2. 子会社独自の雇用管理が可能であるため、労働条件を柔軟に対応できる
  3. 障害者雇用を受け入れるための設備投資を子会社に集中できる


特例子会社制度は2002年の障害者雇用促進法の法改正時からスタートし、特例子会社の数も年々増加しています。その数は400社を超えているのです。(2017年現在)

 

特例子会社は障害者雇用を推進している

特例子会社制度が法定化されて以降、特例子会社の数、そして特例子会社に雇用されている障がいを抱える方の人数が増加しています。


特例子会社制度が法定化された翌年、2003年には特例子会社の数は153社、雇用されている障がいを抱えている方の人数は4,186名でした。一方、2017年には464社、29,769名。法定化以降の14年の間に、なんと特例子会社の数は3倍、雇用されている障がいを抱えている方の人数は7倍にも増えています


実際の状況を見ても、特例子会社制度が障がいを抱える方の一般就労に果たしている役割が大きいことは明らかです。

 

なぜ、特例子会社制度に疑問を抱くのか?

特例子会社制度は、障がいを抱える方の一般就労の機会を増やすために効果を発揮しました。


私は特例子会社制度がもたらした効果は認めつつ、制度そのものに疑問を抱いています。なぜならば、特例子会社制度を推進することは一般就労の機会を増やすものの、障がいを抱える方々と健常と言われる方々を分断する恐れがあるからです。

 

特例子会社は、「障がいを抱える方の雇用の場」となる矛盾

特例子会社制度は、企業がより法定雇用率を達成しやすくし、障がいを抱える方の一般雇用を増やすことを目的として創設されたことがうかがえます。結果として特例子会社は、企業内で障がいを抱える方を雇用することが目的となっています。

 

私は特例子会社制度の創設によって、「企業では障がいを抱える方の雇用が難しい」という限界を認めつつ、「障がいを抱える方々が働きやすい社会をつくる」ことから離れ、「障がいを抱える方を一般雇用から切り離し、まとめて雇用する」という状況をつくりあげているように感じます。


つまり、特例子会社制度は障害者雇用の促進はできているものの、一方で新たな社会的排除に繋がる可能性があるように思うのです。


福祉の鍵概念となりつつあるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン。しかし、特例子会社はこれらのような本来の福祉的理念に則ったものなのでしょうか。

 

まとめ

特例子会社制度は法定化以降、障害者雇用の促進に大きな力を発揮しました。
しかし、特例子会社は障がいを抱える方の雇用を前提としており、健常と言われる方と職場と業務を分断してしまうものではないでしょうか。

働くことでしか得られない価値があることは事実ですが、それは誰しもに必要な絶対的な価値なのでしょうか。